- 背景画像がとにかく美麗
- 夢と現実が重なる瞬間
- 切なすぎるラストシーン
舞台は青森県の津軽海峡。
北海道にそびえ立つ敵国のシンボル「ユニオンの塔」を近くで見ることを夢見て、飛行機制作に取り組む少年たちの物語です。
ヒロインに対する片思いの切なさや、ラストにかけてのやるせない気持ちなど、心を抉る表現がふんだんに詰め込まれています。
失恋の痛みを描くことをテーマにしていた頃の新海映画が好きなら、見て損はない名作です。
■監督
新海 誠
■キャスト
藤沢 浩紀・・・吉岡 秀隆
白川 拓也・・・萩原 聖人
沢渡 佐由理・・・南里 侑香
岡部・・・石塚 運昇
富澤 常夫・・・井上 和彦
笠原 真希・・・中川 里江
有坂・・・木内 秀信
水野 理佳・・・堀内 敬子
「雲のむこう、約束の場所」のあらすじ

戦後、津軽海峡を挟んだ北の地(北海道)を「ユニオン」という国によって占拠されたもう一つの日本。
青森県の津軽海峡付近に住む中学生の藤沢浩紀(ヒロキ)と親友の白川拓也(タクヤ)には、憧れている物が二つあった。
一つは北海道に立つ雲を突き抜けるほど巨大なユニオンの塔。
今では訪れられない地に建つ塔を近くで見たいと、ヒロキとタクヤは飛行機「ヴェラシーラ」を秘密裏に制作していた。
もう一つの憧れは同級生である沢渡佐由理(サユリ)。
ヒロキもタクヤも、何気ないサユリとの会話を通じてサユリの事を強く意識するようになっていた。
ヴェラシーラ制作という秘密を共有し、三人はより仲を進展させていく。
そんなある日、サユリは二人と話しながら野原を歩いている時に白昼夢を見た。
何機もの戦闘機が空を駆け、津軽海峡付近で戦火が上がりユニオンの塔が爆発する夢だった。
夢を見た日の少し後、サユリは何の連絡もなく学校を転校する。
それから三年の月日が経ち、ヒロキは東京の学校に通いながらサユリの影を追い、タクヤは地元青森の高校に通いながら、軍事研究施設で塔の研究をしていた。
一方で学校を転校したサユリはナルコレレプシー(睡眠病)の治療で東京の病院に入院していた。
やがて三年前にサユリが出した手紙をきっかけに、サユリの眠る病院に訪れるヒロキ。
病院でヒロキは、世界とサユリに関する大きな秘密を知ってしまい…。
「雲のむこう、約束の場所」おすすめポイント

1.美麗な背景映像
新海監督が一躍有名になった理由の一つに、美麗な背景映像があります。
当時としては類を見ない技術で作り込まれた背景は、映像以上に多くを物語っていました。
雲を描くにしても何度もリテイクが繰り返され、細部までこだわって制作されています。
「魂は細部に宿る」という言葉の通り、新海監督の魂がこもった背景にも注目して見たい映画です。
2.夢の中で邂逅し、現実と繋がる
何も言わずにサユリが転校してからも、ヒロキはサユリの影を追い続けました。
劇中でヒロキは、何度も夢の中でサユリの気配を探します。
ナルコレプシーで眠り続けるサユリも、夢の中で誰かの気配を感じていました。
決して姿は見えないが、お互いの気配だけは感じる夢。
暗闇の中を手探りで進み続けているような2人が、とうとう出会った瞬間は、一気に霧が晴れる解放感があります。
出会いに至るまでの鬱屈とした雰囲気から、ようやく未来の可能性が開ける名シーンです。
3.結末のやるせなさ
映画のクライマックスシーンでヒロキはサユリをヴェラシーラに乗せてユニオンの塔に向かいます。
サユリを救うためにヒロキが取った行動の結果、ヒロキが得たものは何だったのか。
とても考えさせられる結末になっています。
搾り出すようなサユリの感情と言葉には、心が抉られること間違いありません。
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効率のいいサブスクの使い方
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「雲のむこう、約束の場所」をもっと楽しむための裏話

結末を暗喩する冒頭シーン
「雲のむこう、約束の場所」の冒頭シーンでは、大人になったヒロキがヴェラシーラの制作場所である廃駅を訪れています。
どこか切ない表情で中学生の頃のサユリを思い出すヒロキの姿。
このシーンは、映画の結末後のヒロキを描いています。
ヒロキの表情の意味するところ、ラストのサユリの台詞を考えると、その後2人がどうなったかは想像に難くないです。
本当の結末は小説版で明記されている
「雲のむこう、約束の場所」は映画だけでなく小説版も販売されています。
映画ではあえてラストが濁されていますが、小説版では結末が明記されいます。
映画で登場した場所は実在する
新海監督は実際の風景をアニメに落とし込むことが非常に上手いです。
劇中では、青森県でロケハンを行った実際の風景がたびたび登場しています。
例ええばヒロキたちが通学で使う駅は青森県の蟹田駅、学校は旧西塩田小学校です。
新海監督ファンには聖地巡礼としてロケ地巡りをする方も多く、色々な楽しみ方ができる映画です。
ちなみに蟹田駅は、僕が青春18切符を使って北海道を目指していた時に間違えて降りた駅でした。
終電で辿り着いた真冬の蟹田駅には寒さをしのげる物もなく、完全に死を覚悟したのを覚えています。
当時は街頭も少なかったため、暗闇の中で時々通る貨物列車の光だけを頼りに人里に辿り着きました。
最後に
「雲のむこう、約束の場所」いかがでしたか。
新海誠監督の描く「淡く切ない片思い感」が表現されている名作かと思います。
らしさが出ている分、好みは分かれるかもしれませんが、見て損はない映画ですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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